韓国・全羅南道新安沖の海上で、乗客246人と乗員21人の計267人を乗せた大型旅客船
「クイーン・ジェヌビア2号」が航路を外れ、岩礁に乗り上げて座礁する事故が発生しました。
事故当時、船は無人島が密集する狭い海域を航行しており、
特に足島周辺には大小の岩礁が連なる危険区域として知られています。
木浦海洋警察によると、事故の知らせを受けて警備艦艇や救助艇、航空機などが投入され、
約3時間後の午後11時27分までに全員の救助が完了しました。
子ども、妊婦、高齢者、けが人など約80人は優先的に救助され、
木浦へ移送されたとのことです。
重傷者や死亡者は確認されず、座礁の衝撃で痛みを訴えた乗客約30人が病院に搬送されました。
捜査の結果、当直の1等航海士は携帯電話でニュースを検索していたため
方向転換のタイミングを逃し、本来必要だった自動操舵から手動への切り替えも
行っていなかったことが判明しました
。航海士は方向転換地点の約1600メートル手前で舵を切る必要がありましたが、
気付いたのはわずか100メートル手前だったといいます。
また、事故当時、船長が勤務外を理由に操舵室を離れていたことも明らかになり、
海洋警察は航海士・操舵手の携帯電話を押収し、
証拠隠滅の可能性も視野に入れて捜査を進めています。
さらに逮捕状の請求も検討しているとのことです。
海洋警察は、航路逸脱の背景や当時の運航管理体制について、
引き続き詳しい原因究明を進める方針です。